9月1日は毎年、9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典が9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会によって東京都墨田区横網町公園の朝鮮人犠牲者追悼碑前で執り行われています。

私たちカンパニアでは、その前日の8月31日に関東大震災時の朝鮮人犠牲者への追悼のためのイベント『関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式の前日に』をオンラインで開催しました。またこのイベントでは朝鮮人犠牲者に対する日本の責任、日本社会が今果たす役割について対話する場を持ちました。

当日はスタッフを含め12名の方にご参加いただきました。

8/31のイベントでいただいたご寄附5000円は、9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会に応援と感謝の気持ちを込めて、ご寄付させていただきました。

 

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1923年9月1日に発生した関東大震災では10万人以上の方が亡くなりました。さらにその後、警察、軍、市民の自警団によって流布されたデマとともに、数千人の朝鮮人が殺害される事件が起こりました。

1930年、関東大震災の犠牲者を追悼することを目的に横網町公園(東京都墨田区)が開園されました。

関東大震災50年に当たる1973年には、当時の都議会全会派の幹事長が参加する建立実行委員会によって朝鮮人犠牲者追悼碑が建立されました。

建立された朝鮮人犠牲者追悼碑は都に寄贈され、翌74年からは追悼碑の前で関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典が毎年9月1日に挙行されることになりました。歴代の都知事は追悼文を毎年式典に寄せてきました。

しかし2016年に都知事になった小池百合子都知事は就任2年目の2017年から追悼文送付を取りやめてしまいました。とても残念なことです。

これまで9月1日には毎年、同公園にて関東大震災で亡くなった方々を悼む大法要が公益財団法人東京都慰霊協会主催によって執り行われています。小池都知事はその大法要での「全ての方々へ哀悼の意」という言葉で、災害で亡くなられた方も、市民や警察、軍隊による故意の殺害によって亡くなられた方もともに弔っているとの考えを示しました。

しかし、自然災害や火災で亡くなられた方と市民や行政が意図的に殺害した方とを、加害者側として責任を示す必要がある立場の都知事が同じものとして扱うのでは、そこにあるメッセージの意味を変えてしまいます。
現に、小池都知事が追悼文を取りやめた2017年からは同日同公園にて「真実の関東大震災石原町犠牲者慰霊祭」と銘打って、ヘイトスピーチ(不当な差別的言動)を行う団体が表れました。
さらにその後、公園管理者である都は2020年の集会について、会場となる同公園の使用許可をめぐり、双方の団体にトラブルを防止する目的の誓約書を求める事態になりました。

東京都はその後、人権尊重条例に基づきその発言と行為をヘイトスピーチに認定し、公表することになりました。また、誓約書を求めることについても取り下げました。

結果はどちらも9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会の意向が認められることになったとはいえ、これらの事態が起きたのは都知事の発言や態度と無関係ではないと考えています。

ところで私たちカンパニアで在日朝鮮人、韓国人のことについて考えるようになったのは、今年の2月に韓国ツアーを実行し、仲間とともに参加したからです。

そこで韓国人と触れあい、暮らしを体験しました。

さらに元日本軍慰安婦の方々が生活し、記念館が併設されている「ナヌムの家」を訪れました。
そこで日本人ガイドの方に日本軍慰安婦の2つの視点が、人権の問題と戦争の責任の取り方であることを伝えられました。また、元日本軍慰安婦の方々ために日本に住む私たちができることとして、今日知ったこと、感じたことを自分の言葉で伝えて、彼女たちが望む日本からの謝罪を実現させることだと伺いました。

関東大震災時の朝鮮人虐殺事件とその後の責任の取り方、差別の是正の仕方は、日本軍慰安婦問題と同じ構造だと考えています。

都知事は率先して、朝鮮人虐殺が再び繰り返されないために行動で示すことが重要です。都知事自らが人種差別に基づくヘイトスピーチやヘイトクライムに反対し、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を再開することを求めます。

そして、日本人と在日朝鮮人、韓国人とが今後も親しい友人としてともにこの日本で暮らして行けるように、交流と対話の場を持ち続けて行きたいと思います。

一般社団法人カンパニア:「朝鮮/韓国と日本」企画チーム

河合史恵、桑原康平、鈴木純子、ミシェル由衣

 

■『関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式の前日に』

https://www.facebook.com/events/945078952665654

■8月31日の『関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式の前日に』までに4週連続で書いたコラム:

【日本と朝鮮リレーコラム】

1.関東大震災時に自警団、警察、軍隊により虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼のために

2.ずっと存在しない国だった

3.向き合うということ

4.近くて遠い国・韓国。複雑な関係を解きほぐし仲良くなりたい

2020年 9.1追悼式典のお知らせ

https://sites.google.com/site/japankoreatokyo/912