■2017年に国連会議で採択された核兵器禁止条約は、50カ国の署名・批准を達成してから90日後に発効なっていますが、2020年10月現在、46か国まで署名が集まり、発動間近となっています。

・2020.10.3 NHKニュース「核兵器禁止条約 今月にも発効に必要な批准数達成の公算に」
https://www3.nhk.or.jp/n…/html/20201003/k10012646451000.html

・核兵器禁止条約 日本語訳全文
https://www.asahi.com/articles/ASK9L56MHK9LPTIL00C.html

■日本は、世界唯一の戦争被爆国として、核兵器廃絶をどこよりも牽引して叫ぶ立場にあると思われますが、この核兵器禁止条約に、署名も批准も 2020年10月10日現在 していません。

なぜ、日本は核兵器禁止条約に署名も批准もしないのか?

それは、先に、1963年に国際連合で採択され、日本も1976年に批准している「核拡散防止条約(NPT)」があるからだと言われています。

核拡散防止条約(NPT)は、いずれの国であっても核兵器の全廃を目指す核兵器禁止条約(TPNW)に対して、米国、ロシア、英国、フランスおよび中国の5か国(核保有国)は保有が認められ、それ以外の国々(非核保有国)は禁止される条約です。

日本は、北朝鮮における核弾頭の開発や、ICBM(大陸間弾道弾)問題、中国との南シナ海の海洋開発等の問題など、数多くの脅威を抱える中で、核拡散防止条約で核保有が認められている米国の「核の傘」の下にいることが、北朝鮮や中国に対しての最大の抑止力になると考え、米国側の行動に合わせ核兵器禁止条約には参加しないという方針を取っていると言われています。

「核兵器禁止条約とは?日本は批准している?」
https://kakushelter.net/article/14/

■核兵器禁止条約に批准・署名した46か国のリストをみてみると、確かに、核保有国と言われる国はひとつも入っておらず、日本がそこに飛び込むには、相当の覚悟を持って、、、米国の核の傘に守られることを放棄してでも、世界から核を廃絶する、という覚悟をしない限り、署名できないのも無理からぬことのように思いました。

現在 核を保有していると言われている国は、核拡散防止条約(NPT)で核保有国として認められている、米国、ロシア、英国、フランス、中国の5か国以外に、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルなどです。

・核兵器禁止条約に批准・署名した国の一覧
Wikipedia 核兵器禁止条約
https://ja.wikipedia.org/…/%E6%A0%B8%E5%85%B5%E5%99%A8%E7%A…

・世界の核保有国一覧
https://kakushelter.net/article/13/

■日本は、世界で唯一の戦争被爆国であり、もぅ二度と 戦争はしないと憲法9条に誓った国です。
その国が、核廃絶を真っ先に叫ぶことができないとは、どういうことでしょう?

日本がそうするために、世界から戦争をなくすことを最前線で叫ぶ国となるために必要なことは、なんでしょう?

日本国政府は、国民が再び核の、戦争の脅威に巻き込まれないために、日米同盟を結び、アメリカの軍事力に守ってもらっている。なんとなくその気持ちもわからないでもない気がするのです。

でも、恐れていては、恐れを起源にした言動を繰り返していては、やはりそこから抜け出すことはほど遠いでしょう。

日本が、本当にこの世界から戦争をなくすために貢献するためには、国をあげて この恐れから脱却すること、、、それ以外に道はないでしょう。

私たちはまず、先の戦争で どれだけ傷つき、どれだけ自国も他国も傷つけたのかを もっともっと直視しなければならない。

その上で、その悲しみと恐れを癒し、癒し切って開放されなければいけない。

そんなことを、考え続けています。

■核兵器禁止条約の参加を各国に求める「ヒバクシャ国際署名」。
2016年4月から2020.9.18までの約4年半で、1261万2798筆集まったと発表されています。
2021年1月 国連提出に向けて、今も 署名が集められ続けています。

まだの方は、ぜひ。
https://hibakusha-appeal.net/

世界は、私たち一人一人の力で、必ず変えることができる。

 

署名:きら/河合 史惠(一般社団法人カンパニア 共同代表理事)